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’97 富山大学リカレント学習コース

富山県リカレント教育推進事業


募集期間:平成9年9月16日(火)〜平成9年10月15日(水)

募集定員:25名(申し込み順に受付)


コンピュータでみる数学の世界


 コンピュータCPUの高速化、効率的ソフトウェア開発等により、かつては数字を処理するだけの計算機が様々な情報を処理する機械へと変貌し、更に進化を続けている。数学においても、数式処理ソフトウェアの進歩により、複雑な数式の高速計算が可能になり、またグラフィックス能力の高度化により、数学抽象理論の可視化、具象化が可能となっている。ここでは数学理論の紹介から、コンピュータで出来る数学、更にはコンピュータ(ディスプレイ)で見える数学の不思議で華麗な世界へ御招待いたします。ようこそ数学ワンダーランドへ。


テーマと内容:
第1回・第2回:カオスとフラクタルをみる(1)(2)
第3回・第4回:グレプナー基底と連立一次方程式(1)(2)
第5回・第6回:曲線と曲面に挑戦(1)(2)
第7回・第8回:微分方程式の内部探検(1)(2)
第9回・第10回:確率論とシミュレーション(1)(2)


開設期間:

平成9年10月28日(火)〜平成9年11月28日(金)
(毎週火・金曜日 , 全10日間)

開設時間:

18:00〜21:00(3時間)
(全30時間)

会場:

富山市五福3190番地
富山大学理学部2号館
講義:第11講義室
実習:コンピュータ実習室

応募資格・受講料など申し込みに関する詳しい問合せ先:

富山大学庶務部企画室 又は 理学部庶務係
TEL:0764-45-6028, 0764-45-6541
FAX:0764-45-6549
富山県民生涯学習カレッジ
TEL:0764-41-8635
FAX:0764-41-6157

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第1回・第2回

カオスとフラクタルをみる(1)(2)

理学部教授 鈴木正昭


日時:
10月28日(火)
    第1回:カオスとフラクタルをみる(1)
10月31日(金)
    第2回:カオスとフラクタルをみる(2)

 最近よくでてくるカオスという概念について説明した後、一次元の写像の力学系について調べる。そこに表れるカオスをコンピュータを使ってみよう。
 次にフラクタルを取り上げよう。フラクタル幾何の基礎を学び、反復関数系(IFS)の概念を導入する。そのアトラクターとしてフラクタル図形をコンピュータでみよう。(マセマティカの使い方も指導します。)

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第3回・第4回

グレプナー基底と連立一次方程式(1)(2)

理学部教授 菅谷 孝


日時:
11月4日(火)
    第3回:グレプナー基底と連立一次方程式(1)
11月7日(金)
    第4回:グレプナー基底と連立一次方程式(2)

 連立一次方程式の解法は、中学で学んで以来よく習熟している事柄である。では一般の連立代数方程式についてはどうであろうか。これはつい最近まで非常に難しいことであると考えられてきた。1965年にバフバーガーが多項式のイデアルに関するよい基底(それをグレプナー基底と命名した。)の具体的な構成法を示した。以来、グレプナー基底の理論は多くの改良が加えられて、連立代数方程式の解法をはじめとして、数学の多方面への応用が発見されて来ている。
 グレプナー基底とは何であり、これを用いてどんなことが出来るのかについて説明する。
 次にパソコンを用いて実際にグレプナー基底を求める。さらに種々の連立代数方程式とくに大学入試問題を解くことによりグレプナー基底の有用性が実感できる。

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第5回・第6回

曲線と曲面に挑戦(1)(2)

理学部教授 渡辺義之


日時:
11月11日(火)
    第5回:曲線と曲面に挑戦(1)
11月14日(金)
    第6回:曲線と曲面に挑戦(2)

 今からそう遠くない昔、幾何学者の頭と紙の中にしかなかった曲線や曲面をいとも簡単にしかも遥かに豊富にそれ等の生き生きした複雑な様相をコンピュータの画面上で見ることができるようになった。このことは今後の量り知れない応用を意味し、改めて人間の知力の産物である数学の威力を示すものである。
 いくらかの数学的準備の下に、現代的観点から、曲線と曲面を捉え直し、マセマティカにより実際的に描かせる。
(1)曲線を描く
(2)曲面を描く

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第7回・第8回

微分方程式の内部探検(1)(2)

理学部教授 吉田範夫


日時:
11月18日(火)
    第7回:微分方程式の内部探検(1)
11月21日(金)
    第8回:微分方程式の内部探検(2)

 微分方程式は自然現象・社会現象などの様々な分野に現れます。例えば生物個体群の成長・ニュートン(Newton)の冷却の法則・バネの振動は微分方程式の言葉で書けます。即ち、微分方程式が与えられたということは、一つの法則が与えられたということです。その法則のもとでの挙動が微分方程式の解です。ここでは、マセマティカを用いて、微分方程式の解を見つけて、その解曲線をグラフィックスで表示することを学びます。微分方程式の内部探検(1)では主として一階微分方程式を、微分方程式の内部探検(2)では二階微分方程式について考察します。

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第9回・第10回

確率論とシミュレーション(1)(2)

理学部教授 小林久壽雄


日時:
11月25日(火)
    第9回:確率論とシミュレーション(1)
11月28日(金)
    第10回:確率論とシミュレーション(2)

 最近話題の複雑系科学研究へのアプローチの1つとして確率論の応用があり、複雑系解明のために様々な確率モデルが構成・研究されている。ここでは、いくつかの確率モデルの紹介とそのシミュレーションを行う。高速・大量の疑似乱数の発生と計算機の高速描画能力がこれらの確率モデルの取り扱いを可能にしている。初回(9回)は大数の法則・中心極限定理などの確率論の基礎概念と、シミュレーションの基礎である乱数の性質とその発生法について考える。2回目(10回)は確率過程などの確率モデルの考察とそのシミュレーションにより、ランダムな複雑系を観察する。

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