■ 補数 基準となる固定された数(通常はnを正の整数としたとき10nを取ります)からある正の数を引き、負の数「−1×ある正の数」を補数(n桁の正の数)として表します(ただし、10nはある正の数より十分大きな数とします)。すなわち、補数は 10n−ある正の数 で与えられ、正の数として表されます。したがって、引き算「X−Y」は
X−Y = X+(−Y) = X+(Yを補数で表した正の数) と考えれば、足し算に帰着できることがわかります。
補数には、10進数には10の補数と9の補数があり、2進数には2の補数と1の補数があります(単に補数と言った場合、10進数であれば10の補数を指し、2進数であれば2の補数を指します)。10の補数と9の補数の間には、関係式10の補数 = 9の補数 + 1 (10の補数 − 1 = 9の補数) が成り立ちます。例として、基準となる固定された数を107(補数を7桁の正の整数で表すこと)とし、負の数「−1234」の10の補数と9の補数をそれぞれ求めてみましょう(9の補数では基準となる固定された数を(107−1)に取ります)。 なお、上記より、
10の補数 | = | 10000000−1234 |
| = | 10000000−1234+1−1 |
| = | (10000000−1)−1234+1 |
| = | (9999999−1234)+1 |
| = | 9の補数+1 |
と考えれば、10の補数を直接求めるよりは、9の補数を求めてから1を足すと比較的容易に10の補数が求められることもわかります。また、コンピュータが直接扱うことのできる2進数の場合、2の補数を論理演算を用いて求められるという利点を持ちます(論理演算を用いて1の補数を求め、これに1を足して2の補数を求めます)。
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