線形代数学序論 更新日:2003/03/03
数学科/ 必修2単位: 1年前期.
担当教官/水野 透(内線6559,mailto:mozuno@sci.u-toyama.ac.jp,理学部2号館1階B103号室)
■ 授業概要
線形代数学はあらゆる数学の基礎になるだけでなく、他の自然科学や社会科学などでも広く応用されている重要な学問である。この授業では線形代数学の入門を学ぶ。1年生の後半に開かれる「線形代数学I」と合わせて1年間で線形代数学の基礎を一通り学ぶことになるが、今期の内容はその前半部分で、行列、行列式、行列の基本変形などであり、計算が中心の分かりやすい内容である。
■ 授業方法
板書して講義をする。教科書に沿って進める。
■ 授業計画
教科書の 第1章〜第4章 をする。
第1章 行列(行列の定義、和、スカラー乗法、積、転置行列、正則行列など)
第2章
行列式(行列式の定義、行列式の計算、展開、クラメールの公式など)
第3章
行列の基本変形(行列の基本変形、階数、連立1次方程式の解法、逆行列など)
第4章 空間のベクトル(座標系とベクトル、内積、外積など)
なお、第4章は時間の許す範囲で進め、続きは後期の「線形代数学I」に回す。
■ 成績評価方法
■ 教科書・参考文献・資料
教科書:線形代数の基礎(茂木 勇・横手一郎、裳華房)(1年間通して使う)
教科書だけでもの足らなく思ったら、次の図書にチャレンジしてもらいたい。線形代数学の理論と応用(発展)について、「がっちり」と学ぶことができる。いずれも、線形代数学の名著である。
1.
齋藤正彦:線型代数入門(東京大学出版会)
2. 佐武一郎:線型代数学(裳華房)
1 は証明や解説が丁寧である。2
は例題が多い。どちらも、大学院へ進学してもなお参考書として十分役立つ程の内容をもっている。
■ 受講要件
理学部数学科
■ コメント
線形代数学は大学の数学の中では、比較的分かりやすい内容であり、特に今期予定している行列は、行列だけに限定して扱っていく分には、ほとんど機械的な計算だけで事足りる。しかし、実は行列は仮の姿であり、本当の姿は、後半の「線形空間」や「線形写像」を(後期の「線形代数学I」で)学ぶところで現れてくることになり、このギャップは初めて学ぶ者にとっては、相当こたえるものである。この講義では、少しずつ、このギャップを埋めていきたい。
■ その他