久保先生のホームページより


線形代数学 I - 2004

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F. Kubo
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授業科目名:線形代数学 I (First Course in Linear Algebra) (授業コード:14605)

授業科目区分:専門科目

対象学生:理学部 数学科 1年次生

担当教員:久保 文夫 (KUBO Fumio), 連絡先:電子メール(学内アドレスから発信されたメール以外は不可)

学期:後期, 単位数:2単位

開講曜日等: 月曜日・5限, 於 A239
開講曜日は月曜日であるが, 授業日程に従い, 第1回の講義は10月7日(木曜日)であるから間違わないように.

■ 授業概要(目的・ねらい)

前期に開講した線形代数学序論を発展させて, 「有限次元ユニタリ空間上のエルミート変換の標準化」の初等的な計算方法に習熟させ且つ初等的な理論展開を理解させる.

■ 授業方法

概ね板書による講義.

■ 理解度達成目標

  1. 有限次元ユニタリ空間の幾何学に習熟し初等的な理論を論理的に展開できること.
  2. 有限次元ユニタリ空間上のエルミート変換をその固有値と固有空間を用いて標準化する計算に習熟すること.
  3. 有限次元ユニタリ空間上の線形変換の固有値と固有空間について初等的な理論を展開できること.

■ 授業計画(授業スケジュ−ルと内容)

  1. 2-10 + Orientation
  2. 2-11 正則性とクラメルの公式 (non-singularity and Cramer's rule)
  3. 3-1 縦ベクトルの内積とノルム (the inner product and norm)
  4. 3-2 部分空間の正規直交基底 (orthonormal bases of subspaces)
  5. 3-3 グラム・シュミットの正規直交化 (Gram-Schmidt's orthonormalization)
  6. 3-4 ユニタリ空間上の線形変換の核と値域 (the kernel and the range of a linear transformation)
  7. 3-5 ユニタリ空間上のエルミート変換・ユニタリ変換・射影変換 (Hermitian and unitary transformations, orthogonal projections)
  8. Intermezzo
  9. 3-6 ユニタリ空間上の線形変換の固有値・固有ベクトル・固有空間 (eigenvalues, eigenvectors and eigenspaces of aa linear transformation)
  10. 3-7 エルミート変換の固有値・固有ベクトル・固有空間
  11. 3-8 エルミート変換の標準化 --- 1 (diagonalization of Hermitian transformations with simple eigenvalues)
  12. 3-9 エルミート変換の標準化 --- 2 (diagonalization of Hermitian transformations)
  13. Finale 線形変換の絶対値と極分解 (the absolute value and the polar decomposition of a linear transformation)
  14. 期末試験(2005.01.31実施),
  15. Evaluation Meeting(2005.02.07実施予定)

■ キーワード

■ 成績評価方法:

「線形代数学 I」及び「線形代数学 I 演習」の成績を総合して判定する. どちらか一方だけの合格はあり得ない.
評価項目(出席, 小テスト成績, 期末試験成績, 演習参加状況) を(3,5,14,8)程度の比率で評価する.
演習参加状況は演習問題のC,B,Aの何れにチャレンジしたか, チャレンジした問題へのアプローチの仕方等により判定する.

■ 履修上の注意

線形代数学に限らず数学のいかなる分野でも講義を聞きっぱなしにしただけでは何も身に付かない.
自ら紙と鉛筆を持って,計算し,証明し,論理構成を変更してよりよい理論展開を自ら創り出す努力を惜しんではならない.

■ 教材(使用テキスト)

教科書は指定しない

参考書 著者, 表題(シリーズ名及び番号), 出版社, ISBN

■ 受講要件: 理学部数学科

オープン・クラス受講可否:可 / 単位互換受講可否:否

■ オフィスアワー(自由質問時間):要アポイントメント
上記連絡先(電子メール)に質問内容のあらましを書いてアポイントメントを取ること.
必ず署名し, 内容が一目瞭然の表題をつけること.
携帯電話や外部プロヴァイダの電子メールは不可
必ず富山大学総合情報基盤センターのアカウントで電子メールを送信すること.
(迷惑メールが多いのでそれ以外のアカウントからのメールは無視する.)

■ コメント

小テストの解答例など配布物は各自で上記リンクホームページ先アドレスから印刷して持参すること.
数学学習の支援に使えるMathematicaという「数式処理」ソフトウェアが富山大学総合情報基盤センターの端末機にインストールされている.
利用は情報処理科目のテキスト(表紙写真)のほか次の図書を参考に:

■ その他

講義内容は参加する学生の質に応じてフレキシブルに変更する場合がある.
「線形代数学 I演習」(必修2単位: 1年後期,担当教官/久保文夫・幸山直人)と連携している.
「線形代数学 I演習」のクラス分けは,


■ 春休み中の学習の参考

4月からの「線形代数学II」は「3-5 ユニタリ空間上のエルミート変換・ユニタリ変換・射影変換」, 「3-6 ユニタリ空間上の線形変換の固有値・固有ベクトル・固有空間 」, 「3-7 エルミート変換の固有値・固有ベクトル・固有空間」, 「3-8 エルミート変換の標準化」, ... 「抽象的な線形空間論」の講義である. 期末試験の問題のうち, 線形変換の核の正規直交基底を求める事が出来なければ「固有値問題」乃至「エルミート変換の対角化」は理解できない.

下記の練習問題集から「行列の核の基底と正規直交基底を求める計算練習」の問題を数多く試しておくことを薦める. 行列のサイズや行列の要素に応じて夫々に充分に沢山の問題を用意してある.


■ リンク

計算問題のうち大きなファイルは短く切ってリンクしてあるがクリックしても「ページを表示できません」と表示されるのは PDF化が済んでいないものである.

The PDF files linked here are generated from dvi files via Acrobat (Adobe) Distiller 5.0.